筋トレ

おばあちゃんが言っていた。苦しんで強くなることが、いかに崇高なことであるかを知れ、ってな…。

  • 腕立て 50回
  • スクワット 50回

映画『25時』観た

エドワード・ノートン主演、スパイク・リー監督作品。


エドワード演じるモンティーは、奨学金で有数の進学校に通いながらも麻薬販売に手を染め、やがて退学となってしまう。
その後も密売を生業に、美しく若いガールフレンドと幸せに暮らしているが、とうとう捜査の手がモンティーにも伸び、逮捕されてしまう。
収監まで25時間。
腕っぷしが強くもない、顔の整った白人男性が刑務所に入るということ、そこには暴力と辱めだけが待っている。
モンティーの目の前には、一度足を踏み入れてしまうと決して元の自分に戻ることの出来ない現実があるだけだ。
当たり前に流れている時間が、まるでナイフで裂くように止まってしまう。
回避のチャンスは何度もあったのに、向き合わなかったために逃してしまった後悔。
しかし、その後悔はもう何の意味もなさなくなってしまっているのだ。
そんなモンティーの状況を、9.11のテロと巧みにリンクさせながら冷静に映画は見つめている。
刑務所へ送るモンティーの父親は語る。
逃げ出してもいいんだ。
どこか知らない街へ行き、適当な仕事を見つけ、良き住人となり、妻を迎え子供を育て、そして晩年には家族に真実を告白するのもいいだろう。
実現することのない当たり前の生活を、星条旗がはためく車を運転する父は息子に聞かせる。
その様子は、混迷する合衆国そのものだ。


かなり見ごたえのある作品。
理知的なエドワード・ノートンの起用で、映画に深みが出ていると思う。